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レポート採点法

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項目内目次 三つの視点 採点方法

重点

三つの規準: 言及・論理・個性

 私が自前に作り上げてきた採点の規準。「よいレポートの条件」をかいつまんで知っておいてもらうために。

三つの視点

 レポートを次の三つの視点で読みます。

 言及 Reference

  • 「調べる」という労をとっているか。
  • 言及のルールが守られているか。

 論理 Logicality

  • ひとつのテーマにじっくりとりくんでいるか。
  • 話のつながり・くみたてがしっかりしているか。

 個性 Originality

  • 通り一遍でない問題提起や結論があるかどうか。
  • 考えがどのように深まったのかの自己評価ができているか。

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採点方法

 レポートが提出された時点で仮に70点を与えます。良ければ加点、悪ければ減点。

 加点・減点の原則

  • 加点 …… 言及 < 論理 < 個性
  • 減点 …… 言及 > 論理 > 個性

 つまり、言及の基本ルールは社会常識でもあるので、できていても加点は低く(丁寧にできれば加点)、できなければ減点が大きい。個性の表現は難しいからそれほど出せてなくとも減点せず、個性的な答案になっていれば加点が大きい。
 以下、加減点の「めやす」です。

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 R 言及点

次の場合には加点となります。

  1. 資料にあたり言及のルール基本が守られている(+5点~+10点)
  2. 資料にあたり、厳格なルールが守られている(+15点~)
  3. 専門的な資料にあたっている(+10点~+20点)
  4. 複数の資料で比較や総合を試みている(+10点~+20点)

減点の対象となるのは次のような場合です。

  1. 資料は掲げられているがどこでどう使ったか不明(-5点~-15点)
  2. 資料は見たらしいが表面的な写しに近い内容(-15点~)
  3. 広くないし深く調べる労をとっておらず、淡泊(-15点~-20点)
  4. あやふやな、または手抜き気味の、ネット検索で書いている(-15点~)
  5. 自分の言葉と他人の言葉の区別ができていない(-20点)
  6. 出典不明(-20点)
  7. コピーないし写し(失格)

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 L 論理点

加点となるのは次のような場合です。

  1. 課題を根気よく追究している(+5点~+10点)
  2. 難しい論題にとりくんでいる(+10点)
  3. 論のはこびが沈着(+10点~+20点)
  4. 構成がよく整頓されている(+10点~+20点)
  5. 吟味・咀嚼・とらえなおしがある(+20点~)

減点となるのは次のような場合です。

  1. 思いつくまま書いただけで構成に整頓がない(-10点)
  2. 論のはこびが危うく、不得要領(-10点)
  3. 話題が散漫、支離滅裂(-10点~-20点)
  4. 早合点、飛躍、単純な決めつけが目立つ(-10点~-20点)
  5. 既存の議論への配慮がない(-10点~-20点)
  6. 淡泊すぎて論証になっていない(-20点)
  7. 授業内容とあまりに関係ない。根本的に誤読している(-20点)

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 O 個性点

加点となるのは次のような場合です。

  1. よい問い」がある(+20点)
  2. 着眼点が個性的(+20点~)
  3. 社会科学の専門的な課題にとりくんでいる(+20点~)
  4. 結論が通り一遍ではなく考え抜かれている(+25点)

減点となるのは次のような場合です。

  1. 資料を要約はできているが自分なりのコメントが全くない(-10点~)。
  2. 単に奇をてらっているだけ(-15点~)。
  3. 独りよがりの「意見」表明や「信念」の吐露(-20点~)。

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レポート よくある質問

 Q 字数はどのくらいが適切ですか

 A 字数よりも「ひとつの小論文なりレポート」になっているかどうかです。字数は考慮しません。つまり、立てた問いに対する答えがあるかどうか、論理が成り立っているかどうか。
 しかし、なにかをきちんと論証しようとすれば、それなりの分量が必要になるのも確かでしょう。極論、「正しい結論を書いてあるけれどその1行でおしまい」といった淡泊な論述であれば、これは論証していないので零点なのです。
 厚く丁寧な記述はもちろん高評価となります。が、必要以上に詰め込みすぎていて、単に冗長なだけとか論点があちらに飛びこちらに飛びといったことになっていると、論理点が減点となります。

 Q 授業との関連はどのようにつければよいでしょう。

 A とりあげた現象や事実についてとりあげてもよいですし、他の現象や事実について授業で紹介した理論や観点で分析してみるといったことでも、かまいません。いずれにせよそれほど厳密でなくても履修の成果があったと認められればOK。

 Q 誤字や脱字は減点の対象になるのですか。

 A 「厳しく言えば絶無であるべきだが誰にもたまにありうるミス程度」なら問題なし。
 ただし「誤字だらけ」「あまりに乱文」で判読にも苦労するといったものは「粗雑」(失格)と見なされます。書式がでたらめといったものもこれに入ります。
 手書きで、字が下手であっても、丁寧に書こうとしているものは、なにも問題ありません。文章力の、多少の上手・下手もそのたぐい。

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