「どうも暗中模索で」といった人も多いことでしょう。答えは各人で見つけるしかないものですが、その手段として私からお薦めしているのは次のことです。
私のジャーナル--常に持ち歩くノートブックを、一冊つくる。
(手持ちのノートのどこかに線を引いて「自分欄」を作る、でも当面可)
なにかを探し求めようとする心を持っている限り、模索をなくすことはできません。探究にとって模索は良いことなのです。
でも、模索には迷いや悩みや停滞もつきもの。それでつい後ろ向きになってしまうこともあるでしょう。どうしたらそれを前向きの力に転じることができるのか。
私の自分の経験をふりかえってみると、「ノートを自分のものにする」が、やはりお薦めだと思うのです。
「なんでもノート」や「自分欄」には、たとえば、次のようなことを書き込んでいきます。「次のことをぜんぶやれ」じゃなくて、「たとえば」次の中からあなたの関心のあることを。
- 今日、自分がしたこと。行動の記録。
- 今日した勉強、授業
- 今日の出来事、ニュース、新聞、テレビ、本。その記録、要約。
- キャンパスや町でふと目に入ったものごと。
- 豆知識的な情報メモ
- それらについての感想や考え。
- 空き時間にふと考えついたこと。
- 計画。どんな仕事をしようか。どんな授業に力を入れようか。どんな本を読もうか。
- 作品づくり(仕事、報告、レポート)の着想メモや下書き。
要は、ノート観を変えること。自分が「これから何かをする私」のためにつけておくもの、それがノートです。
今日からノートはあなたの「自分プロジェクト」のための取材・着想ノートになるのです。
(ま、授業用のノートもそのひとつ、という位置づけもいいでしょう)。
いわば航海日誌であり、プロジェクトノーツであり、取材ノートであり、アイデア集であり、雑記メモでもあるといったところでしょうか。
想像してみてください。
スコアや試合記録をつけていないスポーツ選手、スケッチブックを持っていない画家、着想ノートをつけていない漫画家、観察日誌をつけていない博物学者……。
「自分用の何でもノート」がいかに不可欠なツールであるか、わかっていただけたでしょうか。